フォーチュン・クリエイターのAstroDori(アストロ・ドリ)です。
日本で暮らしているルーマニア人の私は、ルーマニアの不思議な文化についてお話する機会がよくあります。
その1つがルーマニアの魔女の話です。
多くの日本人にとって、ルーマニアの魔女はミステリアスな存在で、とても魅力的に映っているようです。
中には「魔女になりたい!」と思っている人までいたりします。
今回は、そんなルーマニアの魔女の本当の姿について詳しくお話していきます。
魔女のルーツと仕事とは
魔女のルーツと言われている「ロマ人」は元々インド北部生まれのロマニ系に由来する「ジプシー」でした。
彼らは1241年に初めてルーマニアに移住し、その中には魔女の仕事を始めた人たちも居ました。
ルーマニアの社会学者ヴィンティラ・ミハイレスク(Vintilă Mihăilescu)の調査によると、ルーマニアの首都であるブカレストでは、現在でも10人に4人は魔女のサービスを受けているそうです。
では、魔女はどんな仕事をしているのでしょう?
主な仕事は、依頼人の幸せのサポートになりますが、時には魔術を用いて誰かを不幸にするようなこともやっているようです。
例えば、依頼人が恋人との別れや離婚で悲しんでいる時、魔女として前向きになるアドバイスとお手伝いをします。
魔女たちは依頼人の苦しみが終わる儀式を行ったり、悪夢に苦しむ子どもたちの親のためにも、特別な儀式を行ったりするそうです。
また、夏至の満月の夜には未来を予知する習慣もあり、一年先のルーマニアの様子を占っていることもあります。
一方で、黒魔術(ブラックマジック)も魔女の仕事の1つで、依頼人が不幸に陥れたい人を病気にさせたり、別れさせたりします。
黒魔術は、一般的な映画に出てくるように、大きな鍋に犬の船尾(糞)を湯でたり、ブードゥー教の呪いを唱えたりして行われます。
このように、人の自由意思と運命を無理やり変えようとする恐ろしいことも行ってしまうようです。
魔女たちに対する意見はさまざまですが、人の運命をもて遊んだり、どんな形でも人を傷つけるのはいけないことなので、彼女たちの活動に反対する声は多いです。
さらに、一部の魔女の中には、一般的な常識が欠如している人もいます。
コールドリーディングを悪用し、消費者心理を巧みについて、依頼人からお金を引き出す詐欺まがいのことをしたり、脅迫したり。
このような魔女や魔女と称するジプシーに騙されてきたルーマニア人も多いため、魔女は人を騙して金設けしているだけだという偏見を持っている方も少なくありません。
代々受け継がれてきた魔術
魔女たちは、先祖から代々受け継がれてきた知識を、自分たちの力にして魔術を行ってきました。
1945年~1989年の間、ルーマニアは共産主義体制となり、魔術を使うことを一切禁じられてしまいました。
しかし、魔女たちは、密かに魔術を行い子孫へ継承し続けました。
当局に通報され有罪判決を受けた魔女もいましたが、それでも子孫に受け継がれてきたので今でも本物の魔女が存在するのです。
そして、今も昔も、魔術を学べるような学校や、参考書のようなものは存在しません。
そのため、魔術に興味・関心がある方が情報を得るためには、日本人だけでなくルーマニア人でさえ、ルーマニアの魔女と直接やり取りをするしか無いのです。
苦しい経験は成長の糧
終わりに、魔術に関する私自身の意見をシェアさせてください。
私は、人生における苦しい経験とは、神様が人に与えてくれる成長の糧だと心から信じています。
嬉しいことや悲しいことも、全てが自分にとって必要なものです。
悲しみがあるからこそ幸せを感じたり、苦しい経験さえも人生の勉強となって自分を強くしてくれます。
そんな私にとって、魔術はとても不自然なものなので、残念ながらお勧めすることが難しいと感じています。
私も子供の頃は大変な思いをしてきましたが、今過去を振り迎えると「それで良かったかもしれない」と思えるようになりました。
その理由は、辛い過去のおかげで「自分が好き」と言えるようになったからです。
この記事をお読みになる皆さんも、「あの時は本当に大変だった。辛かった。でも、あの時の辛さのおかげで、成長が出来たから幸せだ」と自然と言える日がやって来ると思います。
ですから魔女の魔術に頼る必要などありません。
それよりも、自分の気持ちや感情にしっかりと向き合い、受け入れてください。
人生を信じる心掛けこそが、きっとみなさんにとっての幸運を引き寄せるきっかけになると思います。
ファイティングです!
ルーマニア出身のフォーチュン・クリエイター。 あなたの未来をつくる強さと自由な意思を尊重し、ステキなヒントをお届けします。 |