ルーマニアの高校生を救った日本文化とは？海外から見た日本の魅力について！｜femmes（ファム）

フォーチュン・クリエイターのAstroDori(アストロ・ドリ)です。

なぜ、ルーマニア人の私が日本に興味を持ち、来日することになったのか？
また、ルーマニアで耳にしたり想像していた日本と実際の日本の違いについてお話していきたいと思います。

私が15歳の時、全てが終わり、そして全てが始まったのです。
その頃、私は高校生でした。

悲しい出来事は突然やってきた

私は、ルーマニアの小さな町で育てられ、他の子供達と同じ様に毎日高校へ通っていました。

平和な毎日であるはずでしたが、突然、私が誰よりも愛していたおばあちゃんとおじいちゃんを亡くしてしまいました。
私にとって、おばあちゃんとおじいちゃんこそが、お母さんとお父さんのような大切な存在でした。

こうして大切な存在を失ってしまったとき、自分の心の中に大きな穴が空いてしまい、生きる意味すら分からなくなってしまったのです。
そう、ショックと苦しみのあまり、生きがいを感じなくなってしまったのです。

生前のおばあちゃんから「しっかり勉強するように」と言われていたので、おばあちゃんが亡くなってからも、私は勉強だけはいつも通り頑張るよう心がけていましたが、まるで心の無いロボットのようでした。
私はこのように虚無感に苛まれ、しばらくの間引きずっていました。

私を悲しみから救ってくれた日本文化

そんなある日、パソコンで新しいゲームをやってみました。
そのゲームの名は「ファイナルファンタジーX-2(テンツー)」でした。

オープニングテーマソングは倖田來未さんの「Real Emotion」。
曲が流れはじめた瞬間から最後まで、私は体が固まってしまい、鳥肌が立つほど感動しました。

日本語をとても美しく感じ、主人公YUNAの変身する姿が可愛くて、おしゃれなファッション、髪の毛など、「なんて素敵な世界なのだろう！」と久しぶりに心が踊り、喜びを感じたのです。
そこから私は日本語を学び始め、そして少しずつ日本の文化にも興味を持ち始めたのです。

ガイドブックであった神社の写真や、着物を着ているキレイな女性に一番感動しました。
そして、京都のような伝統的な町の風景、真っ白い姫路城、桜の雨、夜の光に照らされていてかっこいい東京にますます惚れてしまいました。

その内、毎日何時間も日本語を学び、日本人の友達を作り、和菓子などのパックを集め始め、お箸を使うようになり、どんどん日本の世界に入り込んだのです。
すると、「いつか日本に行ってみたい」という大きな夢が生まれました。
その夢こそ、生きがいを失っていた私の心を救ってくれたのです。

実際に来日してからの日本の印象

それから７年後、初めて日本へ来ることが出来ました。

「日本に来る前に抱いていた印象と実際の印象で違ったところは何？」とよく訊かれますが、私が感じた日本は来日前に抱いていたイメージとあまり変わっていなかったのです。
町の風景も、混んでいる電車も、渋谷の様子も、丁寧な日本人も期待していた通りでした。

時に、期待を超えるほど嬉しいこともありました。
例えば、日本の便利な生活に何度も驚きました。
ルーマニアでは、電車が時間通りに走ることが奇跡なので（６時間ほどの遅れもよくある話です！）、ピッタリの時間に到着する日本の電車に驚きました。
さらに、１分しか遅れていないのに丁寧に謝ってくれる駅員さんも。
本当に、感謝しています。
また、Suicaを利用すればJRだけでなく、地下鉄、バスにも乗れますし買い物も出来ちゃうのです！
ルーマニアではとてもありえないことなのです。

お店の店員さんはいつも笑顔で「いらっしゃいませ」、「ありがとうございました」等と親切に挨拶をしてくれますし、お客様が持っているゴミまで捨ててくれます！
このような、夢のように素晴らしい日本なので、嬉しくて嬉しくて、丁寧なサービスを心がけている皆さんに今でも感動のあまり幸せな涙を流すことがあります。
「ルーマニア人も日本人から学べばいいのに〜」と何度も思ったことがあります。
これらの事は全て、私自身が感じている 日本の魅力 なのです。

一つだけ、印象の違ったところがありました。
それは、お給料です。
日本は物価が高いというイメージがありますので、当然お給料も高いだろうと私は思い込んでいました。
しかし、実際には、お給料は新卒初任給で月20万円台、平均月収でも30万円台とのこと。
意外でした。
日本人は平均して月に50万～60万円くらい稼いでいると思い込んでいたのですが、そうではないのですね。