周易とは
「周易」は、「しゅうえき」と読みます。
周易は、一般的に「易」とも呼ばれ、有名な孔子の書物『易経(えききょう)』に記された64の卦辞(かじ)、384の爻辞(こうじ)に基づいた占術です。
周易は、周の時代に文王(前1152年~前1056年)が作成し、孔子(前551~前479年)が完成させたと言われていますが、様々な説があり定かではありません。
卦辞の記号は、「爻」(こう)を重ねた構成となっており、爻の種類は「陽爻」と「陰爻」の2つがあります。
爻を3つ重ねたものを「八卦(はっけ)」(2種類の3乗=8種類)と言い、八掛を2つ重ねたもの、つまり爻を6つ重ねたものを「六十四卦(ろくじゅうしけ)」(2種類の6乗=64種類)と言います。
周易を行う占い師は、一般的に「筮竹(ぜいちく)」や「算木」を用いて、六十四卦(上卦、下卦)と爻位を導き出します。六十四卦によって、大きくとらえた天の時を表わし、爻位によって具体的にどこの位置にどういった状態であるのかを占います。
筮竹・算木以外に、コインやサイコロでも代用できます。
八卦の種類と意味
爻を3つ重ねた下記①~⑧の8つが八卦です。
「当たるも八卦、当たらぬも八卦」という言葉がありますが、この八卦が語源です!
古代中国人は、天、沢、火、雷、風、水、山、地の8つの要素から自然と人生を支配するものと考えていました。それぞれの記号と卦名、読み方、正象(卦名の別名)、項目ごとの意味を記します。
この八卦を2つ重ねたものが六十四卦になります。
① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ | ⑦ | ⑧ | |
卦名 | 乾 | 兌 | 離 | 震 | 巽 | 坎 | 艮 | 坤 |
読み | けん | だ | り | しん | そん | かん | ごん | こん |
正象 | 天 | 沢 | 火 | 雷 | 風 | 水 | 山 | 地 |
人間 | 父 | 少女 | 中女 | 長男 | 長女 | 中男 | 少男 | 母 |
身体 | 首 | 口 | 目 | 足 | 股 | 耳 | 手 | 腹 |
方位 | 西北 | 西 | 南 | 東 | 東南 | 北 | 東北 | 西南 |
五行 | 金 | 金 | 火 | 木 | 木 | 水 | 土 | 土 |
易数 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
季節 (月) | 10 11 | 9 | 6 | 3 | 4 5 | 12 | 1 2 | 7 |
六十四卦の構成と6つの爻の意味
六十四卦は、6つの爻(2つの八卦)の組み合わせで構成され、最初の八卦を上卦、次の八卦を下卦と言います。
爻は下から順に、初爻、二爻、三爻、四爻、五爻、上爻というように数え、それぞれ意味を持っています。
現在、6つの爻のどの位置にいるのかを示すのが爻位になります。
初爻、二爻、三爻、四爻、五爻、上爻のそれぞれ意味は以下のとおりです。
上爻 | 五爻 | 四爻 | 三爻 | 二爻 | 初爻 | |
国家 | 議会 | 首相 | 大臣 | 知事 | 市長 | 市民 |
会社 | 会長 | 社長 | 重役 | 部長 | 課長 | 社員 |
家庭 | 祖父母 | 父 | 母 | 長兄姉 | 中兄姉 | 末弟妹 |
地域 | 郊外 | 首都 | 大都会 | 中都市 | 小都市 | 村 |
人体 | 首・頭 | 胸・背 | 腹部 | 股・腰 | 脛・膝 | 足・指 |
顔面 | 髪・額 | 眼 | 耳・頬 | 鼻 | 口 | 顎 |
家屋 | 屋根 | 天井 | 鴨居 | 壁・窓 | 床上 | 床下 |
周易の得意分野と不得意分野
【得意分野】
・変化していく気の流れ、心の声を読み取る
・短期間のこと、だいたい半年までのこと
【不得意分野】
・長期間にわたること
周易のやり方
周易は、筮竹やサイコロやコインを用いて、六十四卦(上卦、下卦)と爻位を導き出し、その内容を読み取っていきます。
ここでは、周易のやり方の中で最も一般的な、筮竹を使用する「略筮法」についてご紹介します。
ステップ1:占う内容を決める
まず、最初に、何について占うのかを決めておきます。
周易は、具体的な質問内容に対して回答を得るという占いですので、最初に「私の事を彼はどう思っているか?」「今すぐ転職をしたいがすぐにした方が良いか?」など具体的に占う内容を決めておく必要があります。
ステップ2:六十四卦を導き出す
上掛を導き出す
①50本の筮竹の下の方を左手で持ち、扇状に広げて1本抜き取り隔離します。この1本は最後まで使わず、残りの49本で占いをしていきます。
②左手にある49本の筮竹から右手で半分くらいをとり、掛助器に入れその中から1本抜き取り、左手の小指と薬指の間に挟んでおきます。
③左手に残った筮竹から、8本ずつ、掛助器に移していき、0~7本残った所でストップします。
④残った筮竹と②で左手の小指と薬指の間に挟んでおいた筮竹を合算して、筮竹が何本あるか数えます。
⑤本文にある八卦の種類と意味を確認して、筮竹の本数に該当する易数の卦名をメモします。これが上卦になります。
※上記の例ですと、左手にある筮竹が6本で、小指と薬指の間に挟んでおいた1本を加算すると、7本になります。7本は、艮(ごん)なので、艮(ごん)とメモしておきましょう。
下卦を導き出す
⑥ステップ2の①を終えた状態に戻して、再度、ステップ2の②~⑤を実施します。
※ここで、左手にある筮竹が3本だったと仮定すると、小指と薬指の間に挟んでおいた1本を加算すると、4本になります。4本は、震(しん)なので、震(しん)とメモしておきましょう。
爻位を導き出す
⑦ステップ2の①を終えた状態に戻して、再度、ステップ2の②~⑤を実施します。
このとき、上卦と下卦の③では、8本ずつ取り出していき0~7本になるまで繰り返しましたが、爻位の時だけは、6本ずつ取り出していき、0~5本になるまで繰り返してください。
※ここで、左手にある筮竹が1本だったと仮定すると、小指と薬指の間に挟んでおいた1本を加算すると、2本になります。2本は、二爻(にこう)なので、二爻(にこう)とメモしておきましょう。
ステップ3:メモした上卦、下卦、爻位から解釈
上卦と下卦の組み合わせで、六十四卦が決まります。
六十四卦のそれぞれの意味については、別記事「「周易・ダイス・米掛(米占い)」64掛が持つ意味、読み方やキーワード一覧」でご確認ください。
爻位については、強弱だとお考えください。数が増えるほど結果が強く出ます。
初爻 < 二爻 < 三爻 < 四爻 < 五爻 < 上爻
ゴルフが趣味のライターです。 占いについて調査・取材を重ねているうちに、評価できるまで成長していました笑笑 たまに核心に迫る占い師に遭遇するとテンション爆上げです。 |